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君と眠らないまま夢をみるの感想「生者と止者のさよなら」

2021年4月25日、メディアワークス文庫より発売された

君と眠らないまま夢をみる

第27回電撃小説大賞 メディアワークス文庫賞を

受賞した作品です。

この「君と眠らないまま夢をみる」(以下きみねむ)の

読みどころは3つあります。

・死んだ幼馴染の残した「36時間」の楽譜
・トランペットをやめた主人公の葛藤
・橋の上にいる黒タイツの女子高生

では、きみねむを紹介していきます。

36時間の合奏曲を奏でる?【きみねむの感想】

本作のメインストーリーは

「36時間の合唱曲を奏でる」という

難題をどうにかして演奏するとこです。

登場人物は高校生ということです。

しかも、これを吹奏楽部の文化祭の

出し物でやろうというハードルの高さを

どう乗り越えていくのでしょうか。

そもそも、36時間ぶっ通しで

演奏し続けるのは、誰から見ても

奏者を労らないスタイルなわけで

ぶっ通しでの演奏は、やはりしません。

ただ、交代で演奏することで

文化祭のうちに36時間の合奏曲を

奏でることになります。

しかし、現代の高校生は

未成年の夜間の外出は禁止されているため

夜間の演奏は困難です。

そこに登場するのがキーパーソンである

「止者」の存在です。

君と眠らないまま夢をみるはこちら!

ある橋を渡ると見える止者【きみねむの感想】

「時の止まった者」と書いて「止者」と

書かれていますが、元は「死者」です。

死んだ人なのですが、小説内では

ある条件を満たすことで、姿が見えるようになります。

作品内では一条戻橋と呼ばれる橋で

そこは「あの世とこの世をつなぐ橋」と言われています。

新聞配達のバイトの帰り、

毎朝、橋の上でトランペットを吹く女子高生は

あるキッカケでトランペットをやめた

主人公は惹かれてしまいます。

昔おなじように練習していたことを

橋の上で練習していた頃を思い出して、

話しかけます。

ただし、素性を探ることはせず、

その場で少しだけ語り合う

喫茶店やバーにいる常連客のような関係でした。

それも36時間の合奏曲の話から

夜な夜な演奏している人たちと

交渉しに行くと

毎朝、橋の上にいる女子高生、河合さんが

代表者として、立っています。

交渉はうまくいき、いよいよ現実味を

おびてきた36時間の合奏曲に

主人公も本腰を入れて、トランペットの

練習を始めるも、数年のブランクは

文化祭までに間に合うか怪しながらも、

文化祭に向けて猛特訓が始まります。

そもそも、主人公はトランペットを

10年以上も続けてきたのに

やめてしまったのには深い事情がありました。

トランペットをやめた主人公【きみねむの感想】

文化祭での36時間の演奏の前に

主人公は部員の少ない

吹奏楽部への猛烈な勧誘を受けます。

あくる日に、事故で亡くなった幼馴染の

双子の妹(以下、中井妹)が

「兄の遺作を演奏してくれませんか」と、

キラーワードを持ち出して、入部させます。

そこで36時間の楽曲の存在を知ります。

なぜ36時間の合奏曲にこだわるのか、

実は橋の上にいた河合さんのように止者のことを

中井妹も知っていて、

36時間の合奏曲を演奏することで

「亡くなった兄に会えるのではないか?」という

仮説を実証したかったからです。

ただし、止者となっていれば、

一条戻橋を渡れば、見えていることから

演奏しても、止者となった幼馴染が

現れる可能性は低いのではないかと

主人公は、食い下がります。

加えて、当人たちでは成しえない36時間の合奏曲は

乗り気ではなかった主人公ですが、

顧問をなんとか口説き落とし、止者の楽団が

夜間も演奏することで36時間の合奏曲は

見える人には36時間の合奏曲となりました。

ぜべるん

36時間の最後で

主人公は亡くなった幼馴染が見えるのか?

君と眠らないまま夢をみるはこんな人におすすめ!

元タイトル「それから俺は
かっこいいバイクを買った」にちなみ、
昔乗ってたカッコいいバイクです。

・止者に縛られる人たちの「さよなら」を見届けたい人
・トランペットをやめた主人公の本当のお別れを知りたい人
・橋の上の女子高生(止者)に恋する話を読みたい人

タイトル「君と、眠らないまま夢を見る」とは

36時間の合奏曲『真空で聞こえる音』が

実は別れの合奏曲であって、

死んだ兄にこだわる中井妹、

遺作を演奏することで過去と決別する主人公、

橋の上の女子高生の河合さんの未練へのさよなら、

さよならができないすべての人への

遺された作品だったのだと、読み切って思いました。

ぜべるん

最後にどんなバイクを買ったのか気になるなぁ。

こちらから買えます


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  • この記事を書いた人

ぜべるん

名古屋の郊外で働く介護士4年目です。 将棋の藤井くんと同じ瀬戸市の育ち。 当ブログでは読んだ本の書評や感想を主に記事に書いています。 Apple信者でMacbookPro、iPad、iPhone、AppleWatcheSE揃えてます。 イラストは地道に勉強しています。 3度の飯よりブラックコーヒー好き☕️

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